2017.09.23

「里村明衣子が胸に抱く2つの大目標は、2020年武道館大会開催と郷土の誇り。」

「里村明衣子が胸に抱く2つの大目標は、2020年武道館大会開催と郷土の誇り。」

文・須山浩継

旗揚げ以来、何度となく存続の危機に見舞われてきた歴史を知る者からすれば、近年のセンダイガールズは順調な歩みを続けている。
一時は4人にまで減った所属選手数も、9月24日の仙台サンプラザ大会でデビューする
佐藤亜海を加えて7名に。まだまだ十分な人数ではないが、7月の新潟大会でデビューした愛海も佐藤も地元宮城県出身。旗揚げ戦でデビューしたDASH・チサコと仙台幸子(引退)以来、久しく地元出身者のデビューがなかったセンダイガールズにとって、今年デビューした宮城県出身の2人は、地元に根差した地道な活動の成果と言って言えるだろう。
一方で全国展開も着実に進行しつつある。今年は広島、山口、北海道にも初進出。12月にはエディオンアリーナ大阪(大阪府立第2競技場)で、関西では初のビッグマッチ開催も決定。旗揚げから数年は仙台での月に1回の興行が基本だったことを考えれば、この数年でセンダイガールズのビジネス規模は飛躍的に拡大しつつある。
もちろん代表の里村明衣子は、この現状をもって満足しているわけではない。なぜならば彼女の視線の先には、数年前から公言してきた、2020年の日本武道館大会開催という大目標があるからだ。
「日本武道館大会をやるなら、ゲスト選手に頼ったオールスター戦ではなく、あくまでセンダイガールズ主体の大会でなければ意味がありません。だけどそんな大会を成功させるためには、選手の数もまだまだ足りないし、私たち選手それぞれが、もっともっとグレードアップしていく必要があります。もちろん開催に向けてのハードルは高いですが、私は実現させることしか考えていません」(里村)
実現すれば女子プロレスの興行としては、約23年ぶりとなる武道館大会に向けて邁進する一方で、里村の胸中には旗揚げ以来抱き続けている大きな目標がもう一つある。
「選手数が減ってしまった時や、6年前の震災の時…。普通なら解散してもおかしくなかったセンダイガールズが、こうして現在もプロレスを続けることができているのは、何よりも地元の皆さんの温かい支えがあったからです。そんな地元の皆さんにどうやったら恩返しができるかといえば、私たちが皆さんから、誇りに思ってもらえるようなプロレス団体になることだと思うんです。それは武道館大会の開催よりも大変なことですが、私や選手たちにとっての大きな目標です」
2020年の武道館大会開催と、郷土の誇りとなるプロレス団体。
そんな2つの大きな目標を胸に抱いて、センダイガールズは今日も前に進み続けている。

須山浩継