2017.07.10

新潟大会初の里村明衣子がいないメインが終った時 女子プロレスの真ん中に立つのは松本浩代か、橋本千紘か?

文・須山浩継

センダイガールズ7・15新潟市体育館大会では、タイトルマッチ2試合が行われる。
まずは王者チームの志田光&朱里組に、DASH・チサコ & カサンドラ宮城組が挑むタッグ選手権。チサコ & カサンドラ組が志田 & 朱里組に挑むのは今回が3度目。
妹である幸子の引退後は、マーベラス所属であるKAORUとの越境コンビで、一度はタッグ王座に就いたチサコ。 しかし、初防衛戦で敗れた後の奪回にあたっては、パートナーをセンダイガールズの後輩であるカサンドラに定めている。 フリーの志田 & 朱里組からの奪回は、純血コンビでというファンの願いを踏まえてのことなのだろう。
とはいえ、過去2回の挑戦で敗れているだけに、普通に考えれば挑戦者チームの方が分が悪い一戦ではある。 ただ、昨年から無敵の快進撃を続けてきた志田 & 朱里組は、6月25日にOZアカデミーのタッグ王座を失ったばかり。 破竹の勢いに陰りが出たタイミングでの挑戦だけに、挑戦者チームが明確な勝利の必然を持って臨むなら、3度目の正直も十分に期待ができそうだ。

6度目の新潟市体育館大会にして、初めて里村明衣子の名前がないメインでは、松本浩代が保持するワールド王座に、前王者の橋本千紘が挑む。 両者は6・10札幌大会でも同王座を賭けて対戦しており、その試合では松本が橋本を下してベルトを奪取している。 つまり、現王者対前王者のリターンマッチとなるワケだが、さらにこの試合にはもう一つの意味合いもある。 すなわち、女子プロレスの真ん中の座を賭けた闘いでもあるのだ。 昨年11月の仙台サンプラザ大会で、里村を敗ってワールド王座を奪取し、1月にはアジャ・コングに敗れて、一度は王座から転落したものの、4月の再戦で見事奪回に成功した橋本は、その時点で女子プロレス界の真ん中に立った。 そんな橋本を下したことにより、松本はワールド王座のベルトのみならず、女子プロレス界の真ん中の座まで奪い取った。 ちなみに現在の松本はワールド王座のみならず、OZの無差別級王座に加えて、スターダムのタッグと6人タッグのベルトも保持する4冠王。 これで再び橋本を下せば、松本が立つ女子プロレス界の真ん中の座は、いよいよもって磐石となるだろう。 前回の札幌大会の試合内容を見る限り、現時点での総合力で優るのは松本。 ただ、忘れてはならないのは、1月にアジャに完敗を喫しながら、たった3ヵ月後の再戦では必殺のオブライトを決めて、王座奪回に成功していること。 おそらく松本が最も警戒しているのは、そんな橋本の驚異的な成長力だろう。 もっとも、ここで再び松本に敗れてしまえば、橋本はワールド王座戦線のみならず、女子プロレス界の真ん中争いからも、大きな後退を余儀なくされることとなる。

大会が終わった時、ワールド王座のベルトを腰に巻いて、女子プロレス界の真ん中に立っているのは松本か、それとも橋本か?